10日間の沈黙の裏側で
ご無沙汰しております。10日ほどブログの更新が止まっていましたが、決して休んでいたわけではありません。実は、4冊目となるKindle本の出版に向け、心臓部となる「解析システム」の構築に没頭していました。
今回の執筆は、これまで以上に「音」を科学的に、そして多角的に解き明かす挑戦に満ちています。
進化した解析スタック:librosaの先へ
これまでの私の活動では Python の librosa を中心に解析を行ってきましたが、今作ではより広範かつ精密な視点を取り入れるため、複数の強力なライブラリを統合しています。
- Essentia: スペクトル解析や低レベルな音響特徴量の抽出において、より業務用に近い、解像度の高いデータを取得。
- Magenta (Google): 深層学習を用いた音楽生成・解析の視点を加え、楽曲の構造的な「意図」に迫ります。
- Madmom: ビートトラッキングやリズム解析に特化したモデルを採用し、聴き手の身体性に訴えかける「グルーヴ」を数値化。
単一の物差しではなく、複数の「耳(モデル)」を持つことで、題材となる楽曲が持つ多層的な魅力を浮き彫りにする。そんな試行錯誤の毎日を送っています。
「音」を言語化し、意識の設計図を描く
なぜ、ここまで解析にこだわるのか。 それは、音楽が単なるエンターテインメントではなく、聴き手の感覚や意識に働きかける「設計された体験」であると確信しているからです。
今回の4冊目では、これらの最新ツールを駆使して得られたデータをもとに、これまでの知見をさらに深掘りした「音と意識の相関図」を提示する予定です。
進行状況とこれから
現在は、膨大な解析データと格闘しながら、それらをいかにして「物語」として紡ぎ出すかという、最もエキサイティングで苦しいフェーズにいます。
数字だけでは音楽にならない。
けれど、数字を通すことで初めて見えてくる「感覚の輪郭」もあります。
今回の4冊目では、その境界線に触れるような一冊を目指しています。進捗はまたこちらで報告しますので、楽しみにしていてください。
調性の重力。和声の重力。そして…
Akihito Kimura